体験記 ~あの笑顔をとり戻すまで~
うん、そうね、しんどかったね(2)
府立へ来て2日後に、脳外科でできるだけ沢山の腫瘍を取る手術が決定した。
私はあまりのショックとストレスで、府立へ来た初日倒れてしまい、主人が一日娘を見た。
「まだ6ヶ月の赤ん坊に脳外の手術なんてさせたくない。もしかしたら、この子を諦めなくちゃいけないかも。」
正直、そう思いました。
入院2日目、回診の日だった。
娘の目は、まるでホラー映画にでも出てきそうなくらい眼球ごと突出していたので、若い学生さん達も興味深い様で、大半の先生が娘の周囲に集まった。
辛かった・・・。
そんな時、胸水の検査結果が出て、詰所に呼ばれた。
「診断がつきました。悪性リンパ腫です。」
2日後に決定していた脳外手術は中止。
すぐに化学療法が始まった。
胸水が溜まるまで病気が進んだのは悪いことだが、胸水にガン細胞がいてくれた為に、手術をせず診断がついたことに、その時は涙を流して感謝した。
しかし、胸水が溜まっている為にIVH手術は危険ということで延期され、末梢からの点滴で寛解導入の治療が始まった。