体験記 ~あの笑顔をとり戻すまで~
うん、そうね、しんどかったね(1)
平成13年1月。
横浜からお正月を兼ねて、年末年始を主人の実家で楽しく過ごしていた時、病気がわかった。
「産まれてもう、半年たつんやな。」
私が言葉をかけても、義母からは返事がありません。
義母を見ると、じっと次女を見つめています。
「何?どうしたん?」
「何か、左目が出てきてると思わへん?」
「え?目でも擦って腫れてるんやわ。横浜に帰ったら、眼科にでも連れて行くわ。」
その日の夜、何だか妙な胸騒ぎがして、私は一晩中眠れなかった。
そういえば目をよく擦っていたし、一ヶ月前に初めてひいた風邪が今だに治っていない。
町医者に何度も通っていて、先生にいわれたひと言が脳裏を巡った。
(大丈夫だとは思いますけど、まれに大きな病気が隠れていることがあるんです。)
次の日、大丈夫だと確信したくて、ホッとしたくて、私は近くの病院に連れて行くことを皆に伝えた。
まず眼科・・・「目は異常ありません。すぐ小児科へ行って下さい。」
私はすぐ「脳ですか?脳ですか?」と聞いたが、勿論返事はない。
次に小児科・・・すぐにCT、MRI、シンチの検査が始まり、偶然病院に来ていた府立医大の先生に話が聞けた。
「初めの診断をつけるのがとても難しいが、神経芽細胞腫だと思われます。」
その後、日単位で眼球がとび出し、一週間で脳・骨髄・肺・骨にまで浸潤し、胸水が溜まってきて咳を始めた為、すぐに府立医大へ来た。