小児がんを経験した方々へ
伝えたいと思う経験について
1.ご自分の経験の中で、伝えたいと思うことを教えてください。
- 気持ちを軽く持つこと。
- 何かうまくいかなかった時に、病気のせいにしないで前向きに考える。
- 不安な時期もあるが、明るく切り抜けていくことが一番大切。
- 無知であることが良い時もある。
- 告知は本人にするべきだと思う。
- 治療中は食べたい物を口からできるだけ食べて、栄養を摂取することが大切だと思う。
そしゃくすることで酵素が出て栄養になるので、食事は大切だと思う。(食べたくない物を無理に食べても効果はないと思う。)
- 退院後のことを考えて入院生活を送るようにした方がいい。
もちろん最初は治療優先だけど、余裕ができれば元々の交流を保っておくと退院後に戻りやすくなると思う。
- 後遺症が続く場合は、病気とうまく付き合っていくことが大事だと思う。
- 入院中に気を楽にもつのはいいことだと思うが、ずっとそのままだと退院してからが大変。
- 自分は病後も非常に良好で、闘病中も医師・病棟等比較的恵まれていた環境にあった。
ただ、特に仲の良かった仲間ばかりが皆先立ってしまった。
それがどうしてもやるせないままでいる。
- 自分にはきょうだいがいないので、親や先生などにはどうしても聞いたり、打ち明けたりできないことを話せる人がいなくて辛かった。
そんな気持ちを理解し、支えてくれる人がいてくれればと何度も思ったことがある。
- 小児がんという病気は、まだ日本社会の中で大きく広まっていないと思う。
経験者の会や国際的な活動をしている中で、もっとアピールしていきたいと思う。
- 病気になったことは自分にとってよかった。
そうなったことには、何か意味があると思う。
- 闘病経験を通して、どんな辛いことがあっても乗り越えられるようになった。
今は自分の夢に向かってがんばっている。
どんな辛いことがあっても、乗り越えればがんばった以上にいいことがあります!
- 私も一生懸命がんばったので、あなたもがんばってください。
院内学級も楽しいので、ぜひ行ってみてください。
- 自分が病気をした頃(24年前)は、子どもはカヤの外で何もわからないだろうと思われていたようだが、当時の親の日記を見ると子どもも悩んでいた。
また親への情報も少なく、告知のことも本当にわからなかったと思う。
サポート体制がきちんとできて、親も子も同じ情報を共有・公開することで家族一丸となって、誰かががんばり過ぎない、誰かが我慢し過ぎない、そんなふうに病気と向き合えるようになることを願っている。
- 生きていく上で困難な事に出会った時、どのような厳しい現実であれ正面から向き合わざるを得ない。
「自尊心」がその困難に向き合う力になる。
周囲のサポートは、その「自尊心」があってこそ生きてくるものだと思う。
サポートのあり方も、病気の子どもの「自尊心」を育む配慮が求められるのではないかと思う。
- 義務教育期間に入退院を繰り返し、学校にもあまり通えなかった経験から・・・団体生活の経験がないため、同世代の人たちとの交流の仕方がわからなかったり、関係に苦しむ時がある。
また、病気ということですべて許されてきたためか、困った時などに、その事から逃げる傾向があった。
ひとつの事をやり遂げる根気強さにも欠けていた。
受験戦争の経験もないため、物事をなし遂げるための工夫とか応用に欠けていて、自分からこうしようという意欲もなかなかわかなかった。
20歳を過ぎて定時制の学校に入学し、通信制も通い、友達と助け合って卒業できたことが、自分の力でなし遂げたという満足感になり、今の自分の励みになっている。
何かのきっかけを作ってあげてほしいと思う。
- 本人は当時4歳で、病気の重さを認識できる年ではなかったので、親はそこに救われたかもしれない。
自分が病気だと思うより、遊んだりする気持ちが大きく、治療中は元気良く過ごせた。
バンダナをつけたり、カテーテルをつけたりと不便なこともたくさんあったが、本人が一番がんばっているということを忘れてはいけないと思う。(お母様のコメントより)