幼稚園や学校との関わり

子どもの生活で、幼稚園や学校が占める割合は大変大きいものです。

親と患児自身が安心して通うことができるよう、細心の注意を払いたいものです。

通園・通学中に入院した場合と、退院後に入園・入学する場合に分けて事例を紹介しています。

<すでに通っていた場合>

事例1
幼稚園― 事実を伝え、退院予定だけ伝えておいた。
この時、他の園児やその家族に病名を伏せるのか伝えていいのか、きちんと言っておく方がいい。
退院後に改めて連絡し、復園時期や感染症対策など気をつけないといけないこと、また病院から禁じられていること等について、園長と担任に直接会って話した。
事例2
学校・・・事実を伝え、連絡を密にとった。
担任の先生の理解が得られることが重要。
患児への告知の有無を知らせ、病気についてのクラスメートへの伝え方も相談した。
髪の毛が抜けている等、外見の変化もあるので、それについてクラスメートにどのような説明をするかも相談した。
退院時に院内学級と元の学校の先生立ち会いのもと話し合いがもたれたので、その際に不安なことはすべて相談しておいた。

入院中からまめに連絡を取り合う方が、患児も孤立感を感じずにすむこともあります。

ただ、子どもが病気を受け入れられていない場合は、慎重な対応が必要です(子どもには知らせず、親が秘かに連絡を取る等)。

院内学級に通っている場合は、そこの先生が多大な協力をしてくださいます。

しかし、退院して元の学校に戻った後は、学校との話し合いは全て親が行うことになるので、退院時までにしっかり不安な事項を相談しておくことがスムーズな復学につながります。

<退院後に入園・入学する場合>

事例1
幼稚園―入園前に病気のことを説明し、園側の様子と対応を確かめた。
受け入れるのをためらう様子があれば、その園に入れるのをやめようと思ったが、園の方からもいろいろ質問があり、お互いの不安を相談できたので入園した。
2、3年通うことになるので、初めにきちんと伝えておくことが大切。
事例2
幼稚園―通園可能ないくつかの幼稚園を調べ、それぞれの特色をチェックした。
外遊びが多い園、室内での作業等が多い園、プール遊びの頻度、園庭の広さ、園児の数等、実際に通うことになった場合、自分の子どもにとって過ごしやすく、先生の目が届きやすい状況であることを重要視した。
外遊びやプール遊びに制限があるのに、それに重点を置いている園は避けた方が、子どもが我慢をすることも少なくなると考えた。

小学校以上では、入学に際して健康関連の書類に過去の病歴を記入しなければならないことがあるので注意が必要。

事例3
入学時点で治療終了から時が経っていて特別な注意を必要としなかったので、病名はかかなかった。
事実を記入するかどうかは、親の判断。
事例4
特別な注意(感染症対策等)が必要で、通院のため早退や欠席をするとわかっていたので、事実を記入した。
子ども本人が病名を知らない場合は、学校側に伝えておく。
事例5
その書類を子ども本人が持参すると聞いた。
本人に告知していなかったのと、何かの拍子に友達に見られるのもどうかと思い、その書類には何も記入しなかった。
その代わり別紙に詳細を記入し、親が学校に直接提出した。
事例6
いろいろ心配だったので、入学前に学校に連絡を取り、校長先生に会った。
そこで不安なことを話し、担任には対応力のある先生をつけてもらえるようお願いした。

退院後に間をおかず入学を迎える場合は、体調がまだ戻っていなかったり、髪の毛が生えそろっていないと思います。

小学校から中学校に上がる場合は、地元で友達が続いていることもあり話もしやすいですが、高校への進学は友達がほとんど知らない子という場合もあるので、患児本人がそこで過しやすいよう、事前によく学校と相談することが大切です。

特に学校側に何か頼まなければならないことがある場合は、それが了承されるかどうかも重要なので、あきらめない根気ある対応が必要になります。