体験記 ~あの笑顔をとり戻すまで~

ひとつの山をのりこえて(1)

2人目の子は、平成5年生まれのお姉ちゃんの妹として、平成8年に生まれました。

 

平成11年7月の初め(2才7ヶ月の頃)、元気にはしているのだけれど、熱が2、3日続きました。

軽い夏風邪のつもりで、近くの開業医へ。

「のどは赤くないし。それより、子どもの顔色じゃない。血液検査してみよう。」

・・・すぐ出た結果は、

「炎症反応もすごく出ているけれど、貧血がひどい(鉄分が通常の半分)のと、白血球が通常の3倍(2万3千)もある。肝臓も腫れているし、お母さん、これは腫瘍か白血病かもしれない。」

「はあ…。」

「そんなのんきにしている状況じゃないよ。」

「・・・・・」

その頃、腫瘍や白血病など、名前こそ聞いたことはあるけど、それがどんなものか全く知らなかった私には、どういう態度をとればいいのか想像もつきませんでした。

 

とりあえず、血液像というものを見てもらわないと、はっきりしたことはいえないからと、家で待つことに。

自転車をこぎながら、

「大変な病気?そんなバカな。うそに決まっている。こんな元気な子が・・・。」

祈るような気持ちで、ブツブツと独り言をいっていたのを覚えています。

 

家に着くなり、家庭医学の本を開いて、愕然としました。

白血病の症状そのものだったのです。

そういえば、鼻血が止まらなくて、慌てたことがあった。

(でも、私自身子どもの頃、しょっちゅう鼻血を出していて、しかも止まりにくいことも何度かあって、病院へ行った)

顔色は、ずっとすぐれなかった。

(私自身、子どもの頃から顔色の悪いタイプだったので、この子もそうだと思い込んでいた)

足やお腹をよく痛がった。

(上の子も成長痛で、しょっちゅう痛がっていた)

食べ過ぎが少しおさまってきたと喜んでいたのに、食欲が落ちていたの?

一ヶ月程前、とびひがひどくなって、きつい抗生剤を飲んだけれど、免疫力が落ちていたの?

以前、研究補助の仕事をしていて、有機溶剤など吸っていた私のせいかも・・・。