体験記 ~あの笑顔をとり戻すまで~
あの時を振り返って(2)
はじめて足を痛がった日からちょうど1週間後。
明け方にしくしく泣いている。
眠気が勝っているようで、目は覚まさない。
しかし、朝になるとまた立てなくなっていた。
今度は、熱が38度5分あった。
慌ててこの前の病院に駆け込んだ。
採血、レントゲン・・・腕を組みながら考える先生。
原因が知りたかったが、答えは得られず、とりあえず足にギブスを巻くことになった。
念のため小児科を受診するようにといわれ、同じ病院内の小児科へ行った。
簡単な問診と診察はすぐ終わり、結果は“特に異常なし”
「ほんとに?」
家に帰っても、その後熱は上がる一方で、もらっていた座薬で何とかその日はしのいだ。
整形外科の先生に毎日来るようにといわれていたので、次の日もその病院に行った。
採血の結果を見ながら、先生が「特に異常ないですねえ」という。
データの載ったパソコンの画面が先生の方を向いていて、こちらから見えない。
見たい!と思った瞬間、勝手に体が乗り出していた。
白血球1万8千・・・。
「これって多すぎるんじゃ・・・」
足が炎症をおこしているので、もっと多くてもおかしくありませんといわれた。
「そうなのか・・・」
よくわからなかったが、正常範囲を大きく超えていた数値に、少しいやな予感がした。
熱も下がらない。
でも、もう少し様子を見ましょうといわれ、異常がないのなら・・・と自分にいい聞かせその日も帰った。
しかし、一向に良くなる気配はない。
むしろひどくなる一方で、熱はとうとう40度に達してしまった。
足の他の部分や手の指まで痛がり始めた。
次の日病院に行ったが、違う先生で「担当の先生の時まで、様子を見ましょう」といわれた。
「これ以上、なんの様子を見るというの!!」
さすがに口には出さなかったが、この病院では駄目だと強く感じた。
「もっと大きな病院で診てもらわないと、もしかしたら大変な病気かもしれない・・・」と思うようになっていた。
大阪に住んでいたが、出身は京都の私。
京都の病院の整形外科には、子ども専門の先生がいると聞いていた。