全国のがん診療連携拠点病院で平成21~23年に小児がんと診断された20歳未満の子供が、8902人(男児4796人、女児4106人)いたことが1日、国立がん研究センター(東京都中央区)の集計で分かった。同センターは、がんの種類別、患者の都道府県別の集計も公表。全国の小児がんの実態が分かるのは初めてで、「各自治体のがん対策に役立ててほしい」としている。

小児がんの患者数はこれまで、学会などが年間2,500~3,000人と推計してきた。

同センターは、全国のがん診療連携拠点病院の患者登録制度に基づき3年分を集計。

登録制度の対象とならない病院に通う患者は含まれないが、小児がん患者の多くは専門的ながん治療が提供できる拠点病院に集まりやすいため、「かなり実数に近いと考えている」(同センター)という。

 

小児がんの種類別では、2,454人(27.6%)ともっとも多かったのが白血病。

続いて脳腫瘍が2,025人(22.8%)で、この2種で小児がんの半数を占めた。

 

都道府県別では、人口の多い自治体で患者も多かったが、病院の所在地別では、東京や福岡などに患者が集中する傾向がみられた。

約7割が小児科医と専門医がいる大学病院を受診していた。

 

また、センターは成人を含む全国のがん患者の約7割を診察する395病院の23年のデータも発表。

男性は前立腺がん、女性は乳がんで増加が大きかった。

 

産経新聞 8月2日(金)9時45分配信